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斜角を有する桁の解析と架設

2007/12 T.Y

θ=37゜という斜角を有する鋼床版橋の設計を可能ならしめる手法として、提案・実施したものである。

構造物の設計(解析)に用いる諸条件は、架設の方法・手順を反映したものでなければならないし、一方、架設計画に際しては、設計の仮定を全うする工法・手順を選択しなければならない

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上図のような鋭い斜角を有する橋梁では、鈍角部支承(S2,S3)に反力が集中することが知られている。一方、鋭角部支承(S1,S4)では反力が小さくなり、時として負反力が生じて支承構造の設計に困難を来すことがある。
そこでこのような構造体を計画する際には「支承高さを固定して解析する方法」(下図A案)と「鈍角部の支承高さを一時的に変位させて解析する方法」(下図B案)の長短を比較したうえでメリットに富む手法を選択しなければならない。

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架設方法としては、最初から所定の高さに支承を設置して桁を架ける方法「A案」と、「B案」のように、桁をキャンバーなりに仮支持して無応力架設する案がある。
ただし、斜角の小さな橋に「A案」を採用した場合は、下記のような 不合理・不利益を生ずる可能性があるので、十分な注意が必要である。

  1. 死荷重反力が鈍角部の支承に集中するので、鋭角部支点との反力差が大きくなり、支承・落橋防止装置の構造選択が難しくなる。
  2. 完成形において矩形であるべき横桁の腹板形状も製作形状は平行四辺形となる → 横桁に製作キャンバーを設ける形になるので、完成時の死荷重によって横桁に大きな作用力が生じる。
  3. 完成時の死荷重によって主桁がねじられるので、主桁腹板の鉛直度を管理する必要がある。また、架設の便宜を考えて、横桁と主桁との連結を死荷重載荷後に行うとか、プレロードを用いて締結する手法は、解析の仮定と異なることになるので、厳に慎まなければならない。

また、「B案」にもいくつかの注意点がある。

  1. 鈍角部の支承を仮に高く設置しておいて、架設のある段階で降下固定する必要がある。
  2. 主桁の死荷重載荷状態における曲げモーメントが若干大きくなる。
  3. コンクリート床版を有する構造で斜角がきついと、鋼桁を架設し終わった段階でなお、鈍角部の支承が所定の高さにまで下りないことがある。このような場合は床版打設後あるいはプレロードを用いないと支承を固定できない。

「A案」「B案」の長短を下表に示すが、工法選定に当たっては構造形式・斜角を加味した中で、下表の○△にウェイトを乗じて総合評価すると良い。

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