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分配横桁の機能と配置

2007/6 T.Y

A氏からの「分配横桁の効果的配置は」に答えて・・・。

1.設置目的

分配横桁の設置目的は、複数の主桁を橋軸直角方向に結んで各主桁に生ずるたわみの差を減ずることにある。このことを言い換えれば、ある主桁上に載荷された荷重を複数の桁で負担することになり、1つの主桁に働く力を減ずるので、桁の断面は小さくなり経済性に繋がる。また、床版の変状を抑えるためにも無くてはならないものである。

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2.分配横桁の効果的配置

分配横桁の使用目的からすれば、分配横桁がないとした時に主桁どうしのたわみ差が最大となるところに設置するのが望ましい。単純桁に1本だけを設置するとしたならば、当然ながら支間中央がベストということになる。下図に示すような連続桁の側径間は中央より若干端支点側にずれたところとなる。

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3.現実対応の推移

(1)初期段階
960年代に入って、分配横桁の影響(効果)を考慮することが経済性に繋がるとの考えから、分配横桁を考慮した設計が求められるようになった。これらのニーズに応えるためギオンマゾネー・ホンベルグの「荷重分配法」が盛んに用いられた。また、国内で高島春夫の「格子分配法」が活用された時期でもあった。
(2)中期段階
970年代に入って、橋梁構造解析にコンピューターが用いられるようになると、前期の簡易荷重分配法に代わって、コンピュータを用いて直接構造解析するようになった。ただ、ここに至っても首都公団発注の設計では、構造解析を軽減する目的で分配横桁を原則径間に1本配置することで行われていた。
(3)近年
パソコンの性能向上に促されるように、分配横桁・対傾構の実配置そのままに解析することが主流になってきた。また、対傾構も十分な分配性能を有することから、解析法の改革とともに径間部に配する対傾構にも分配性能を期待するようになった。

4.分配横桁(対傾構を含む)配置

桁高・材質の変化しない主桁において理想的フランジを配置すれば、主桁のどこの位置においても主桁の受ける最大曲率は同じである。

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よって、ここで分配横桁設置目的に話を戻すと、配置は等間隔にすることが理想である。実際の設置に当たっては各支間部を偶数割りにするとか、奇数割りにするとかではなく、主桁横倒れを防ぐ目的で定められた6.0m以下の規定を遵守すればよいということになる。
(これさえ守っていれば、2.で述べた、分配性能を考えた効果的配置など、ごく特殊な場合を除いて考えなくてよい)

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従来の形式では、主桁の横倒れを防ぐ目的で6m以下の間隔で横桁もしくは対傾構を設けることになっている。

5.新しい鋼橋

横桁・横構等の設置は使用鋼重を軽減するのに有効であり、これらの機能は今後とも橋梁のみならず、鉄塔・建築にも活用されていくであろう。しかし一方で、鋼橋をライフサイクルの視点から安く架けようとする場合、横桁・横構を極端に減ずる考えがある。主桁の横倒れを防ぐために床版と主桁上端を堅固に連結して横桁間隔を広げ、横構も極力省くという方法である。この方法は鋼重を減ずる効果は少ないが、部材数また部材を構成するための材片数が減るので製作費が安くなるというものである。さらには床版支間を広げて主桁本数を減じ、使用鋼重も減らそうとする少主桁橋の採用も垣間見られるようになった(特に旧道路公団では豊富な施工実績がある)。
※少主桁橋の構造特性については、適用条件によって長短あるので、別の機会に報告する。

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少主桁橋では、床版と主桁上端を堅固に連結して主桁の横倒れを回避しているので、横桁間隔に制約を受けない。また、横構の設置についても従来の「支間長:25m以上には設けなければならない」との制約を受けない。